嫁、手術 =ありがタイ村初代村長誕生秘話=

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動物園のシロクマのように、

診察室の入り口付近をウロウロしている、

超テンパっているさんたまさのり。

 

…すぐだったかもしれない。

…だいぶ時間が経っていたかもしれない。

時間の感覚がない。

嫁がストレッチャーに乗せられて、

口に呼吸マスクつけられて、診察室から出てきた。

ドラマとかでよくみる光景だが、

まさか自分が当事者になるとは、、、

少なくともこの1週間は想像だにしてなかった。

思い描いていた出産シーンであれば、

ここで嫁の手を握って自然と顔に浮かんでくる笑みとともに、

「がんばってな」

とキラキラした感じに包まれるシーンのはずなのだが。

 

嫁が伸ばしてきた手を握ろうとしたとき、

自分がいつの間にか拳を握りしめていたことに気づく。

しかもかすかに震えている。

握った拳には汗がじっとりとへばりついている。

その汗をズボンでぬぐって、

慎重に嫁の手を取る。

嫁の手は弱々しいものではなく、

ぐっと力を込めてわたしの手を握り返してくる。

その力にほっとする。

わたしが安心させる役回りなのに、

これじゃ逆だろ。

作り笑いは得意だ。

不安を体の奥の奥の方に押しやって、

めいいっぱいの作り笑い。

自分でも口元歪んでるのがわかるレベル。。

 

ストレッチャーを押す看護師さんは1人。

あれ? 通常2~3人で囲んでいない??

そんなわたしの気配を察知したのか、

看護師さん、ひとがいないので(てへ)

てへ、じゃないだろ(・∀・)

嫁の手を握りながら、

ストレッチャー押し人員も兼務する。

コーナーで壁にぶつかりながら、

リフトの入り口で扉に挟まれながら、

無事かどうかは不明だが、手術室前に到着。

予定では、その他大勢も一緒に見守るはずだったのだが、

まだ戻ってきていない。

他の看護師の姿もみえない。

看護師とわたしと、

ストレッチャー上の嫁のみ。

いや、他にもいたかもしれないが、

とりあえず、見えるのはそれだけだった。

いわゆる事実というものだって、

目というレンズを通って脳内に映し出されたにすぎないものだから、

見る人の気持ちや感情、状態によって、

いかようにも姿を変えてしまう。

見る人の数だけ違う事実が存在する。

いまのわたしの事実は、

苦しむ嫁と心拍が遅くなっている息子、

その2人が乗っているストレッチャーと、

それを支える看護師とわたし。

それ以外は、暗い灰色に包まれている。

 

そのまま手術室の中まで押していって、

手術着に着替えさせられて、

手術の助手まで仰せつかるかとも思ったが、

さすがに手術室の中から新たな看護師が登場し、

外の椅子に座って待つよう申し渡される。

嫁を乗せたストレッチャーは、

車輪などをアルコールスプレーか何かで消毒されたのち、

手術室の奥の方へと消えていった。

 

周りに他の人の姿は見えない。

物音もしない。

明るいことを想像しても、

暗いことを想像しても、

なんだか未来に影響与えそうで、

ただひたすら、

「嫁頑張れ!息子殿頑張れ!」

と思い続けた。

やっぱりじっと座る気にはなれず、

手術室の前を行ったりきたりしながら。

それだけではあきたらず、

1階まで無駄に降りたり、

また3階まで上がってきたり、

それを繰り返したり。

リフトでなく階段で上り下りしてたら、

きっと絶大なダイエット効果があったに違いない。

警備員の人に怪しまれながらだが。

 

どれだけそうしていただろう。

窓の外に、車のヘッドライトの明かりが見えた。

どうやら、その他大勢御一行様が無事到着したっぽい。

ただし、かれらはまだ何も知らない。。

 

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